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在宅専門診療所の開設手続き|施設基準・届出・保険指定まで行政書士が解説

在宅専門診療所の開設手続き|施設基準・届出・保険指定まで行政書士が解説

高齢化の進展や在宅医療ニーズの高まりを背景に、在宅専門診療所(外来診療を行わず訪問診療のみを行う診療所)の開設を検討される医師が増えています。しかし、在宅専門診療所の開設には通常の診療所開設と異なる手続きや施設基準の届出が必要です。本記事では、在宅専門診療所の開設手続きを医療関連手続き専門の行政書士が解説します。

1. 在宅専門診療所とは

在宅専門診療所とは、外来診療を行わず、患者の自宅や施設への訪問診療のみを行う診療所です。医療法上は一般の診療所と同様に「診療所」として扱われますが、保険診療の観点では「在宅療養支援診療所」の施設基準を届け出ることで、在宅医療に係る診療報酬を算定できるようになります。

在宅専門診療所を開設するメリットは以下のとおりです。

  • ・外来設備(待合室・処置室等)が不要なため、初期投資を抑えられる
  • ・在宅医療ニーズが高く、安定した患者確保が見込める
  • ・在宅療養支援診療所の施設基準を満たすことで、高い診療報酬が算定可能

2. 開設に必要な手続き

(1)診療所開設届の提出

在宅専門診療所であっても、医療法第8条に基づく「診療所開設届」を管轄保健所に提出する必要があります。個人開設の場合は開設後10日以内、医療法人開設の場合は、都道府県による定款変更認可申請(約3か月〜)、診療所開設許可(約1か月)を経て、診療所開設後10日以内に開設届の届出が必要です。

専ら在宅を行う診療所では、一般的な診療所とは異なる設備が必要となる場合があります。

  • 患者対応設備(応接セットなど)
  • 在宅専門診療所であることの表示(看板等)
  • 外来患者が間違って来院した場合の紹介先の確保
  • 在宅医療に必要な医療機器一覧

在宅専門診療所の場合、地域によってはまだまだ実績が少ないので、保健所との事前協議を早めに実施する必要があります。また、診療所の構造設備については、在宅診療の特性上、外来診療に必要な待合室・処置室等の設置義務が緩和される場合があります。事前に管轄保健所と協議することを強くお勧めします。

(2)保険医療機関指定申請

保険診療を行うためには、地方厚生局への「保険医療機関指定申請」が必要です。申請から指定まで通常1か月程度かかるため、開設スケジュールに合わせて早めに申請することが重要です。
専ら在宅診療所で保険指定を受けるためには、通常の診療所の申請に追加して資料の提出が必要なので、早めに専門家へご相談ください。

(3)在宅療養支援診療所の施設基準届出

在宅医療に係る診療報酬(在宅患者訪問診療料等)を算定するためには、「在宅療養支援診療所」や「在宅時医学総合管理料」等の施設基準を地方厚生局に届け出る必要があります。
特に連携型在支診療所の場合、令和8年度診療報酬改定で要件が複雑化したので、そのあたりも早めに確認するようにしましょう。

3. 在宅療養支援診療所の施設基準

在宅療養支援診療所の施設基準は、「機能強化型」と「従来型」に分かれており、それぞれ要件が異なります(診療報酬の算定方法に関する告示・保医発通知に基づく)。

(1)従来型 在宅療養支援診療所の主な要件

  • 24時間連絡を受ける体制の確保(担当医師または連携医療機関による対応)
  • 24時間往診が可能な体制の確保
  • 緊急時に入院できる病床の確保(連携病院でも可)
  • 在宅医療を担当する常勤医師1名以上
  • 過去1年間の緊急往診実績:10件以上
  • 過去1年間の在宅での看取り実績または特養等での看取り実績:4件以上(単独型の場合)

(2)機能強化型 在宅療養支援診療所(単独型)の主な要件

  • 常勤医師3名以上
  • 過去1年間の緊急往診実績:10件以上
  • 過去1年間の在宅での看取り実績:4件以上
  • 上記に加え、従来型の要件を満たすこと

(3)機能強化型 在宅療養支援診療所(連携型)の主な要件

  • 連携する医療機関全体で常勤医師3名以上
  • 連携する医療機関全体での緊急往診実績・看取り実績の要件を満たすこと

※施設基準の詳細は診療報酬改定のたびに変更されます。届出前に必ず地方厚生局または厚生労働省の最新通知をご確認ください。

4. 開設までのスケジュール(目安)

時期 対応事項
開設6か月前までに 物件選定・保健所事前相談・事業計画策定
開設3〜4か月前 内装工事・医療機器発注・スタッフ採用
開設1か月前 保険医療機関指定申請・診療所開設届提出、模擬診療、内覧会等
開設当日 診療開始

5. よくある質問

Q. 在宅専門診療所に待合室は必要ですか?

外来診療を行わない在宅専門診療所の場合、待合室の設置は基本的に必須ではありません。ただし、診療所としての構造設備基準(医療法施行規則第16条)を満たす必要があります。管轄保健所との事前協議で確認してください。

Q. 個人開設と医療法人開設、どちらが有利ですか?

開設当初は個人開設のほうが手続きが簡便です。事業が安定した後に医療法人化することで、節税・事業承継・社会的信用の面でメリットが生じます。どちらが有利かは収益規模・将来計画によって異なりますので、税理士・行政書士に相談のうえ判断されることをお勧めします。

6. まとめ

在宅専門診療所の開設には、診療所開設届・保険医療機関指定申請・在宅療養支援診療所の施設基準届出など、複数の手続きが必要です。また、保健所との事前協議や地方厚生局との調整も重要です。

在宅専門診療所の開設手続きについてお困りの際は、医療関連手続き専門の行政書士にご相談ください。

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行政書士イシカル法務事務所では、在宅専門診療所・訪問診療クリニックの開設手続きを専門行政書士がサポートします。保健所事前協議から保険医療機関指定申請・施設基準届出まで一括対応いたします。

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