Columnコラム

【診療所開設】医療法人が分院を開設するときの注意点

医療法人が新たに診療所を開設するときには、個人診療所の開設手続きと違って様々な手続きが必要になります。
そのことによって開設までのスケジュールも個人開設のときとは大きく異なるため、慎重に計画を立てる必要があります。

【この記事で分かること】
①分院開設の手続きの流れがわかる
②分院長の選任する際の注意点がわかる
③クリニックを承継する際の注意点がわかる

手続きの流れ

医療法人が診療所を開設するときは、都道府県に”定款変更認可申請”を行う必要があります。


※(参考)東京都HPより
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/hojin/henkou.html

この「仮申請」から「認可書の受領」までに必要な時間が概ね「3か月程度」(書類をきちんと作成して提出すれば、1.5か月程度で認可が下りることもありますが・・・)、その後に法務局にて”事業所の追加の登記”を行い、その後に管轄の保健所にて”診療所開設許可申請”、”診療所開設届”、地方厚生局にて”保険医療機関指定申請”・・・と進んでいくことなります。

この”定款変更認可申請”から”保険医療機関指定(診療所開設届提出後、毎月10日ごろに締切があり、締め切りまでに申請した医療機関は、翌月1日付で保険医療機関に指定されます)まで”には、おおむね5~6か月かかることになります。

このあたりの時間を考えずに診療所建物の賃貸契約を結んでしまうと、無駄な賃料が発生してしまうことも。
また、定款変更認可申請の前に管轄の保健所で事前相談が必要なケースもあり、この事前相談を飛ばして定款変更認可申請を進めてしまうと、途中で書類を作り直さないといけない事態が生じる可能性もあります。

分院を開設する際は、余裕をもった計画を立てましょう。

分院長が医療法人の役員になる?

医療法人の定款には、「本社団が開設する診療所の管理者は、必ず理事に加えなければならない。」といった条項が定められているため、診療所の管理者(分院長)は医療法人の理事に就任する必要があります。

このあたりのこともきちんと分院長候補者に伝えておかないと、手続きが進んでから「医療法人の役員になることは聞いていない!」等のトラブルに発展しかねません。
(最悪の場合、分院の開設手続きを中止しなければいけない事態に)

また、都道府県によっては、分院長の役員就任時に”分院長の印鑑証明書”や”社員総会に出席することの承諾書”のようなものを求められることもあるので、必要となる書類をあらかじめ確認した上で分院長候補者へ説明するようにしましょう。

分院開設の流れ

分院開設の流れについて解説します。

①医療法人化(個人診療所の場合)

個人診療所を運営している場合は、分院を開設する前に医療法人化を行う必要があります。

個人診療所を廃止し、新たに医療法人として開設します。

②分院長の選任

医療法人化が完了したら、分院長を選任します。

医療法において、クリニックには必ず常勤医の院長を選任する必要があります。

③都道府県や保健所に事前相談

都道府県との事前相談では定款変更に関して、保健所との事前相談では開設許可申請に関しての協議や図面の確認などを行い、必要な手続きや条件について説明を受けます。

事前相談をしておくことで、後の手続きがスムーズに進むだけでなく、申請の際の不備を避けることができます。

④定款変更

分院の開設に伴い、医療法人の定款を変更する必要があります。

定款変更には、仮申請と本申請の2回の申請が必要です。

定款変更認可が下りるまでには、約3か月程度かかります。

⑤変更登記

定款変更が決定したら、法務局に変更登記申請を行います。

期間は2〜3週間程かかります。

⑥開設許可申請

保健所に開設許可申請書を提出します。

手続きに2週間程度かかり、許可が下りれば開設許可書が交付されます。

⑦開設届・X線装置設置届

開設許可が下りたら、保健所に開設届を提出します。

開設届は開設後10日以内に提出する必要があります。

保健所への手続きが終わったら、自費診療の実施が可能となります。

保険診療を実施するためには、次の厚生局の手続きが必要です。

X線装置を設置する場合は、別途X線装置設置届を提出します。

⑧保険医療機関指定申請

厚生局に保険医療機関指定申請をします。

自治体ごとに決められた期日までに提出すれば、翌月1日から保険診療の実施が可能となります。

このように承認までに時間がかかる手続きもいくつかあるため、分院開設の日程に間に合うように逆算して手続きを進めるのがポイントです。

その他の注意点

事業所(分院)の追加について税務署や年金事務所等への手続きが必要となることがあるので、予め税理士さんや社労士さんへ相談しておきましょう。

また、個人開設の診療所を承継する場合(詳しくは別の記事で解説します)などは、保険医療機関の遡及指定(承継日にさかのぼって保険医療機関の指定を受ける)を受けることが必要になるため、地方厚生局への事前相談も必要となります。

この場合、承継前後で診療科目が全く異なっていたり、管理者の引継ぎが行われていない場合などは遡及指定が認められないこともあるようなので注意しましょう。

おわりに

ここまでで見た手続き以外にも、細かな手続きが必要となる”医療法人診療所(分院)の開設手続き”。
上記のリンク先に詳しい手続き内容が記載されていますので、分院開設の計画を立てる際は一度ご覧頂ければ幸いです。

【医療法人診療所の開設を検討するときは、お気軽に当事務所までご相談ください。】
※初回無料相談、無料御見積もり致します。

関連記事

  1. 【診療所開設】診療所を開設するにはいくら資金が必要?(建物自己所有Ve…

  2. 【診療所開設】在宅専門の診療所って開設できるの?

  3. 【複数診療所一体的開設】テナントビル内の連続しないフロアで診療所を開設…

医療法人設立や診療所開設、
事業承継に関するご相談は行政書士イシカル法務事務所へ

初回相談無料行政書士イシカル法務事務所
まずは、お気軽にご相談ください。
医療法人設立や診療所・薬局開設などの複雑な申請手続きから運営のご相談まで、 医療関連のご相談は医療関連手続き専門の当事務所まで!
  • メールでのお問い合わせはこちら
※オンライン無料相談は事前予約制となります。

交通費が無料で対応可能なエリアは「大阪府、奈良県、京都府(一部エリアを除く)、兵庫県(一部エリアを除く)、滋賀県(一部エリアを除く)」です。
それ以外のエリア対応料金については、お問合せください。

PAGE TOP