Columnコラム

【診療所開設】診療所を開設するにはいくら資金が必要?(建物自己所有Ver)

診療所を開設するときに一番気になる問題は「診療所を開設するのにいくら資金が必要なのか」という先生が多いのではないでしょうか。

 

それでは、診療所を開設するのにいくらくらいの資金が必要なのか検討してみましょう。

 

1、診療所の開設にはいくら資金が必要か

建物を自己所有とする場合

建物については、診療所建物を「自己所有」とするか「賃貸(テナント)」とするかで大きく異なりますが、ここでは多くの準備資金が必要となる「診療所建物を自己所有」とするケースをみていきましょう。

 

(1)建築費用等

建物を建てる土地の状態やエリアなどでも異なるためあくまでも目安ではありますが、鉄骨造建物の

場合、坪当たり「およそ150万円」前後(建物工事費、内装工事費)となることが多いようです。

 

別記事の「診療所の広さはどれくらい必要?」を参考に、一般的な内科診療所(45坪)で計算してみると、建物の建築費用は「坪単価150万円×45坪=6,750万円必要」なことがわかります。

 

ここに土地(建蔽率を考えて60坪と想定)の価格を坪単価100万円で計算すると、

「60坪×1,000,000円=6,000万円」、さらに診療所の椅子や机等の什器備品に250万円程度必要なので、これらを合計するとハード部分(土地や建物、内装等)の準備だけで1億3000万円程度必要な計算になります。

※医療機器(電子カルテ、一般撮影装置、超音波診断装置、心電計、CR等)の費用が2,000万円程度必要となりますが、医療機器はリース契約が一般的なので初期費用の計算からは除きます。

 

これらのハード部分(土地や建物、内装等)の取得のために必要な資金は、多くの場合「銀行からの借り入れ」によって準備することになると思います。

 

ハード部分の取得に関する資金は、全額を借入させてくれる金融機関もありますが、融資の料率が自己資金を準備しているケースと比べて高くなってしまったりと条件面で不利になるケースがあるため、ハード部分の取得に必要な費用の何割かは自己資金で準備しておいた方が良いでしょう。

(その他、不動産登記や銀行の融資手数料なども自己資金で支払う必要がある場合があるので、事前に金融機関に確認することが必要です)

 

ここで、ハード部分の取得に必要な自己資金を、「ハード取得費総額の3割」とすると、

{(建物)67,500,000円+(土地)60,000,000円}×30%=約850万円

さらに什器備品当の費用250万円を足すと、

 

「ハード部分の取得に必要な自己資金は1,100万円」

 

となります。

 

(2)運転資金

上記のハード部分の取得に必要な資金の他、月々の運転資金も開業前に準備することが必要です。

特に、開業から2か月間は売り上げのほとんどが「診療報酬の患者負担分のみ」になってしまうため、

最低でも開業してから2か月の間に必要な運転資金はしっかりと準備しておきましょう。

 

では、どのくらいの運転資金を準備すれば良いのでしょうか?

 

第22回医療経済実態調査(個人開設・無床診療所)の資料では、診療所の1年間の平均支出額は「5,000万円程度」(※減価償却費は現実の支出が無いため控除します)とされており、ここから2か月分の必要資金を算出すると、約800万円程度となります。

 

実際には、開業時にはチラシや診察券などの印刷費用や、職員採用に関する費用などもかかるため、開業時には2か月分の運転資金+α分として1,000~1,500万円程度準備しておいた方が安心です。

 

ここまで見てきた”ハード部分の自己資金”と”開業当初2か月分の運転資金+α”の合計は、

2,100~2,600万円

となります。

 

実際にはこれら以外にも支出が生じることもあるため、診療所の開業時に必要な資金(建物を自己所有とする場合)は3,000万円程度と考えれられます。

 

2、おわりに

今回は、「診療所を開設するのにいくら資金が必要なのか(建物自己所有Ver」を見てきました。

建物を自己所有として診療所を開設する場合に必要な自己資金は3,000万円程度必要であることから、開業前にしっかりと資金計画を立てることが必要になります。

 

資金計画は当事務所のような医療機関のサポートを専門としている専門家(行政書士や税理士等)に早めに相談しましょう。

 

別記事の

「診療所の開設に必要な資金はどのように調達すれば良い?」

や、

「診療所の広さはどれくらい必要?」

もご参考にして頂ければ幸いです。

(記事:濱崎)

 

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